中世における山野領有と利用をめぐる諸問題
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概要
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人間の生存にとって自然の果たしてきた役割は大きいものがあることはいうまでもない。実際,人間はこの自然に依存しつつ自然の改造に務めてきたのであるが,それはときには山野についていえば中世にあっても,しばしば「荒廃」をもたらすこともあったし,自然災害などを引き起こすこともあったのである。本稿で中心的に取扱う「山野」についていえば古代に引き続き開発を行って田畠化を計る一方で,山野の豊かな所出物をめぐって諸階級諸階層の対立は激烈を極めたものになっていたのである。勿論,この間にあって,山野の分割領有をめぐって国家は庄園設置の許認可などを通じて庄園領主などに有利に計るなど一定の役割を果たしたのであった。こうして山野の領有問題と山野の所出物たる草木などをめぐっても種々の問題を惹起しているのである。本稿は上は諸領主から下は百姓にいたるまで,これに如何にかかわりどう決着を計ったのか,こういった問題を具体的にあきらかにすることを課題として検討を試みたものである。
- 札幌学院大学の論文
- 2003-03-20
著者
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