鎌倉御家人 : とくに「文士」について(3)
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概要
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本稿は(1)(2)につづいて鎌倉初期の「文士」についての続編で鎌倉御家人とくに「文士」を中心に検討したものである。この時期の「文士」の活動の特徴は確立した武家権門(幕府)が「朝家」と接触するなかで如何なる交渉を行い, 如何なる政策を固めてのぞんだかが問題となる。また内部問題としては設置された侍所, 公文所(政所), 問注所などの諸機関を中心として活動したのであり, それらの運転にかかわったのである。軍事部門と異なるこれらの分野は都の下級役人を歴任した「文士」たちにとってはうってつけの活躍の舞台でもあったのである。つまり, 彼らの出身からくる公家社会の知識(王朝国家体制)が重要な役割を果したことはいうまでもない。これらは律令国家以来の役人=官僚たちの蓄積によるものであって, こうしたことをぬきにしては彼らの存在を語ることができないのである。それらは彼等を一定度規定すると同時にある種の限界を生じさせてもいるのである。
- 2001-03-21
著者
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