ニーチェの肉体 (身体) に関する一考察 (2)
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概要
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すでに「ニーチェの肉体 (身体) に関する一考察」(1) でその要約は述べておいた。「ニーチェの肉体 (身体) に関する一考察」(2) では、ニーチェの肉体一元論を、さらに、肉体を構成する肉体内部の各生命体の命令・従属、支配・服従の上下関係、序列関係を論じて、肉体に内在する「カヘの意志」を明らかにしょうとするものである。さて、ニーチェは「健康な肉体」と「病んでいる肉体」を峻別する。この肉体の二分法によって、実は「カヘの意志」が、プラスに働いて、積極的、肯定的な力としてニヒリズム克服の起動力となるときもあれば、反対に「カヘの意志」が、マイナスに働いて、否定的、反動的な力として起動し、ニヒリズムを招来するときもある。それゆえ、「健康な肉体」に内在する「大きな肉体の理性」の声をいかにして人は聞き取るか、それは「カヘの意志」を肯定のカヘと転換する叡知を知ることでもある。これがニーチェの肉体論の眼目である。
- 2004-07-30
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