障害児教育における音楽を活用した取り組み(1) : データベースからみた特殊教育緒学校の現状
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概要
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本研究は障害児教育における「音楽を活用した取り組み」をより効果的に行うための実践的、基礎的研究を目指して計画した。長期的な展望にたって「音楽を活用した取り組み」を考えた場合、この報告はその第一歩となるものであり、今後の障害児教育における「音楽を活用した取り組み」に対する研究的アプローチの指針を示すことを目的として行った。本報告ではまず障害児教育におけるいわゆる「音楽療法」の位置付けを再確認し、次に本研究のスタートとして全国の特殊教育諸学校における「音楽を活用した取り組み」について総覧するために、既成のデータベースを基に文献的な検討を行った。その結果、特殊教育緒学校では、1)障害種別として知的障害を対象とした取り組みがきわめて多くみられた。2)教科としての教育課程の枠組みで、器楽や合奏といった指導方法内容を用いながら、集団形成を指導目的として音楽を活用した取り組みが多くなされていることが明らかとなった。3)特に養護学校においては、教科における音楽活動のみならず、養護・訓練や生活単元学習など他の教育課程の枠組みにおいても少なからず音楽を活用した取り組みがなされていることが明らかとなり、実際の教育現場において個々の子どもの実態に即した教育的対応が様々な形で工夫されていることが推定できた。これらのことを踏まえながら最後に、改めて本研究を進めていくに当たっての基本的な考え方や課題について整理し、今後の指針ン研究的アプローチの方策〃明確にした。
- 2000-03-31
著者
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