トキ節の時間的な特徴についての一考察(紀要編)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
従属節の中には、時間を表すトキ節がある。本稿では、意志的な動作動詞を述語として持つトキ節の複文のうち、一般的なトキ節の規則に従わないように見える文に注目して、どのような条件下でそのような文が成立するのかを観察した。はじめに、トキ節の動詞として、移動動詞の「行く」「来る」を中心に取り上げた。ここでは、トキ節が相対的テンスを取らず絶対的テンスになる場合、主節の動詞がトキ節の動詞の形をコントロールする場合、助詞がトキ節の動詞の形を限定する場合、主節の動詞の種類によってトキ節が意味する時間が異なってくる場合について考察した。次に、意志的な動作動詞「作る」「着る」を取り上げた。ここでは、動詞のアスペクト的意味を考えた分類で同じグループに入っている動詞が、トキ節の中で同じ形をとる場合でも、時間的意味が異なってくるケースに注目して、動詞の意味・特徴との関係からその原因を考察した。
- 岐阜大学の論文
著者
関連論文
- 「形容詞+感じる」の周辺
- 「〜ため」と「〜ために」の違い
- 「雨が降らないあいだに」とは言えないのか?
- 原因・理由を表すテ形接続に関する一考察
- トキ節の時間的な特徴についての一考察(紀要編)
- 従属節としてのトキ : 初級におけるトキ節をめぐって
- 「違いが分かる男」はどんな男か
- 感情表現における動詞とその周辺
- 文の誤用とその背景
- 形態的に対立する自動詞と他動詞の位置関係