<原著>心窩部冷罨法が胃蠕動運動と腹腔動脈血流に与える影響 : 体外式超音波を用いた評価
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概要
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心窩部冷罨法は,胃蠕動運動を抑制し,血管を収縮させると考えられており,吐血時に止血効果があるとされている看護技術の一つである。本研究では,心窩部冷罨法が,胃蠕動運動と腹腔動脈血流にどのような影響を及ぼしているかを検討することを目的とした。対象は健康な女性17名(18〜21歳,平均18.4±0.8歳)とした。実験は原則として早朝空腹時に行ったが,食事負荷は37℃に加温した液状バランス栄養食品200mlで行った。15分間の心窩部冷罨法の施行前後において,胃前庭部運動能(Motility Index)と腹腔動脈血流量の変化を体外式超音波法を用いて評価することとした。その結果,冷罨法により胃前庭部運動能は有意に低下した(食後期8.37±0.81,冷罨法中8.12±1.04)。一方の腹腔動脈血流量は冷罨法により有意に減少した(食後期512±97ml/min,冷罨法後380±93ml/min)。以上のことから,心窩部冷罨法は,胃前庭部運動能を低下させ腹腔動脈血流量を減少させるのに効果が認められ,吐血時の止血法として有効であることが実験的に示された。
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