ホウレンソウケナガコナダニの高温耐性ならびにオンシツケナガコナダニ,ケナガコナダニ,ロビンネダニとの種間比較
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概要
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熱処理によるホウレンソウケナガコナダニ防除の基礎資料を得るため,本種が死滅する温度および処理時間を調査した.成虫よりも卵の高温耐性が高かったが,卵,成虫ともに40℃-24時間,45℃-3時間,あるいは50℃-1時間処理で死滅した.これらの温度条件は熱水土壌消毒や蒸気土壌消毒で十分に実現可能であり,本種を対象とした場合には土壌病害対策を目的とした処理量よりも熱水や蒸気の量を減らすことも可能と考えられた.近縁のオンシツケナガコナダニ,ケナガコナダニ,そしてロビンネダニでも同様の試験を行い,ホウレンソウケナガコナダニの高温耐性と比較したところ,ホウレンソウケナガコナダニの高温耐性はケナガコナダニ属3種のうちで最も低く,ロビンネダニに近かった.高温耐性が低かったホウレンソウケナガコナダニとロビンネダニの共通点は土壌に生息することであるため,温度変動の少ない上壌環境に適応した両種では,高温耐性は発達しなかったと推測される.
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 2006-02-25
著者
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