卵巣摘出による膀胱平滑筋β_3アドレナリン受容体機能の変化

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更年期女性は頻尿や尿失禁などの不安定膀胱症状を呈することが少なくない。これは閉経による体内エストロゲンレベルの低下が原因の一つであるとの報告がある。そこで今回我々は, 卵巣を摘出したラットの膀胱, および根治的膀胱全摘出術によって得られた閉経後女性の膀胱を用いて, それらの平滑筋βアドレナリン受容体発現の有無について検討を行った。その結果, RT-PCR法により, 雌ラットと閉経後女性の膀胱平滑筋細胞にβ3アドレナリン受容体mRNAの発現が認められた。また, 卵巣摘出後6週間エストロゲンを投与したラットと投与しなかったラットの膀胱平滑筋弛緩機能を, βアドレナリン受容体刺激薬を用いた等尺性張力測定を行い, 比較検討した。その結果, 投与群, 非投与群ともに非選択的βアドレナリン受容体刺激薬である isoproterenol による膀胱平滑筋の弛緩作用は濃度依存的であったが, 両群間に有意差は認められなかった。一方, 選択的β3アドレナリン受容体刺激薬であるBRL37344では, 膀胱平滑筋の弛緩作用は濃度依存的であり, 卵巣摘出したラットの弛緩反応はコントロール群や卵巣摘出後エストロゲンを補充したラットより有意に強かった。体内エストロゲンレベルの変化が膀胱平滑筋β3アドレナリン受容体機能に影響を与えると考えられた。
神戸大学の論文
2001-03-31

卵巣摘出による膀胱平滑筋β_3アドレナリン受容体機能の変化

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