膀胱癌におけるE型Cadherinの発現に関する免疫組織学的研究

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カドヘリンはCa依存性の細胞接着分子で, そのサブクラスの1つであるE型カドヘリンは上皮細胞間の結合や組織の形態形成に深く関与している.今回, 膀胱癌におけるE型カドヘリンの発現を免疫組織学的に検索し, 臨床病理学的因子との関連について検討した.50例の膀胱癌新鮮手術標本を対象として, 抗ヒトE型カドヘリンモノクローナル抗体を用いABC法による免疫組織染色を行なった.Immunoblotting法で, 正常膀胱および膀胱癌組織中のE型カドヘリンの分子量を検討した.発現の評価は, 正常細胞と同様にE型カドヘリンが発現している細胞が癌病巣全体の75%以上に認める症例を, (2+), 50%以上75%未満の症例を (+), 25%以上50%未満の症例を (±), 25%未満の症例あるいは発現していない症例を陰性 (-) とした.E型カドヘリンの発現と組織学的異型度の検討では, 異型度が高くなるにつれて有意に発現が低下していた.組織学的深達度との関係では, 浸潤癌において有意に発現が低下した.浸潤増殖様式との検討では, IFNαでは88%の症例が (2+) または (+) で, IFNγの症例ではすべて (±) または (-) であった.Immunoblotting法では, 癌化に伴うE型カドヘリン分子量の変化を認めなかった.以上より, E型カドヘリンの発現と膀胱癌の異型度, 浸潤との間には関連のあることが示唆された.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1995-07-20

膀胱癌におけるE型Cadherinの発現に関する免疫組織学的研究

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