土肥経平『鵜の本鷺の本弁疑』について : 定家仮託書論偽の系譜の一切片
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概要
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江戸中期の故実家、土肥経平 (宝永四年 (一七〇七)-天明二年 (一七八二)) の著述の一つを紹介し、その内容と位置を考える。本書は藤原定家に仮託されて成った歌論書の一部を取り上げて、具体的に疑問点を質し、著者自身の所見を記した書である。分量の上で比較的零細であるが、論述内容とその様相には注意されるものを含んでいる。定家仮託の書は中世における享受を経て、近世、どのような状況のもとで、どのような認識と論理さらには心理に基づいて詮義されているかを見るのが、ここでの関心事である。定家仮託書に対する弁疑論贋の系譜の一齣を、当該資料の本文に即して、同時に或る俯瞰図を描くことを目指して検討してみたい。論末に当該本文 (岡山大学附属図書館蔵池田家文庫本) の翻刻を付す。
- 跡見学園女子大学の論文
- 1999-03-15
著者
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