勤労青年の実態調査
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概要
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本研究の主たる対象とがつか勤労青年についての要約の幾つかを列挙して見よう。(I)マス・コミユニイケイシヨンとしての新聞・雑誌・書籍の中では新聞が最も購読率が高く次いで雑誌-書籍の順であるが、読詐の傾向はその実生活に則したもの及び青年期の特色を帯びたものが選ばれている。(II)映画は青年の関心が極めて深く、その人格形成上に与える影響力は極めて大きいものと推察し得られる。ラジオは殆んど娯楽的に聴取されているだけである。(III)文化的施設(公民館・図書館・夜学校・洋裁学校)設置の要求は強い。此等の設備をはかる事が目下の緊要事である。(IV)悩みの体験を通して青年は成長するが、その傾向は健全で、指導の役割を受持つ両親特に母親の任務は極めて大きい。母親学級、成人学級等の開設、充実が要望される。尚友人・先輩の影響力も大きいので、平素よりその指導を充分心掛けて置くべきである。尚学校教育はアフターケアにまで延長されるべきであり、又教師はその様な人格的接触をもつべきであることを感する。(V)人生観は都内高校生と比較して建設的である。従つてその社会観も甚だ積極的であつて、社会に対して悪く妥協する様な事も無く、傍観する事も無く、そして後退する事も無く、建設的態度にあるものが多いことは心強い。(VI)宗教につぃては信仰的感覚若しくはそれに近い態度にある者が多い。(VII)恋愛、結婚の指導は従来タブーとなつていた為もあるが、殊に女子に於いて定見のない者が多く、純潔教育の叫ばれる今日この分野の社会教育は適格者によつて有効的に押し進められる必要を感ずる。(VIII)金銭消費額並にその使途及余暇利用は概ね健全であると見作し得る。(XI)政治に対する関心は男女共高く、政治の民主化の一面を示しているが、本県青年は保守系が過半数を占めている。(X)勤労青年と学生とはその発達条件の差から、読書傾向・映画趣味・悩み・信仰的態度・経済生活・余暇利用などの生活諸相に於て或程度の差をもつている事が明らかにされた。
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