非行青年と覚醒剤
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概要
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イ、使用経験者の数は全体の25%であり4人に1人の高率である。ロ、現在使用者は全体の9%となつている。だがこれは使用そのものが犯罪であり、そのためかく少数に報告されたのではあるまいか。ロ、使用を地域別に見れば市街地及び郡部では所謂巣の所在地と目される地方が多くなつている。即ち市川市、千葉市、東葛飾郡、山武郡等がそれである。二、使用薬品は ヒロポンの61%にネオアゴチンの50%がつづく。中毒者には二、三品併せ用いるものがある。ホ、一日の使用量は1〜5本が全体の59%を占める。使用量の最高は一日百本である。へ、使用の開始時は16歳〜19歳が全体の80%を占めている。青年学級の増設、青年修養講座の開設、建全なレクリエーション指導等青年の教養向上のための適切な措置が速かに講ぜられる必要があろう。又出来得れば義務教育終了後の輔導の延長も望ましいであろう。ト、使用の動機はその52%が友人よりの勧誘であり、好奇心からの20%、先輩の勧誘12%がこれにつづく。友人選択に際しての慎重な態度が強調せられねばならない。チ、入手場所、入手経路はその大半が一定している。このことは取締の上に大いに役立つであろう。リ、犯罪との直接関係は全体の6%に過ぎないが、他のものも何等かの意味で犯罪の一原因をなすものと考えられる。69%が犯行前からの使用者である。ヌ、家庭の60%が子弟の覚醒剤の使用について無知である。保護者の注意を喚起する必要がある。ル、中毒者は多くの心身の障害を訴えている、その害毒に就き青少年に周知せしめ予防に努力しなければならない。
- 千葉大学の論文