Guillain-Barre症候群患者髄液中のMonocyte Chemotactic Protein-1濃度:重症度との関係

概要

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背景:ケモカインは免疫性神経疾患の発症において重要な役割を演じている。Guillain-Barre症候群(GBS)の末梢神経内にはマクロファージやリンパ球が浸潤し組織を障害する。これらの細胞の走化因子であるmonocyte chemotactic protein (MCP)-1が急性期のGBS患者の末梢神経内で産生されていることが報告されているが十分な検討はされていない。対象および方法:東邦大学医療センター大森病院と大橋病院とに入院したGBS患者10名を対象とした。発病14日以内に診断の目的で行われた腰椎穿刺によって採取された髄液中のMCP-1濃度をELISA法で測定し,臨床症状との関係を検討した。非炎症性神経疾患患者8名・正常人5名を対照とした。結果:GBS患者髄液中のMCP-1濃度は対照と比べ有意に上昇していた(非炎症性神経疾患:p<0.05,正常人:p<0.01)。MCP-1濃度が1000pg/ml以上の高値はHughes grade 4以上の重症例にのみみられた。複数回の腰椎穿刺が可能であった症例では臨床症状のピークに一致してMCP-1濃度のピークがみられた。結論:GBS髄液中のMCP-1濃度は上昇していた。その濃度上昇は末梢神経組織への細胞浸潤と破壊を示しており,GBSの疾患活動性と神経症状の重症度を反映すると考えられた。
東邦大学の論文
2005-07-01