交通サービスの特性と公共交通政策 : 交通の利用可能性が有する公共財的特性の考察
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概要
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公共交通機関が提供する輸送サービスには,これを実際に消費した際に享受する便益と,いつか利用するかもしれないという先物需要としての便益がある。後者を特に交通の利用可能性(availability)と呼んでいる。利用可能性は便益の享受に地理的な限定はあるものの,消費の非排除性,非競合性を有することから公共財としての特性を備えている。また交通インフラストラクチャーは私的財ながら利用可能性や存在便益等の公共財的特性や規模の経済性から市場の失敗が懸念される。すなわち交通インフラストラクチャーには公共性が認められる。特に利用可能性についてはこれを単なる外部効果とみなすにしても交通問題の多くがこれに関係する。従って,交通政策上,容易に無視できない側面がある。とりわけ不採算ながら社会的に必要な公共交通サービスについては利用可能性までを考慮に入れた交通システムの制度設計が求められる。
- 作新学院大学の論文
- 2002-03-25
著者
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