流通システムの構造変化に関する一考察
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概要
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価格破壊に端を発した流通市場の競争激化は既存の流通システムの見直しを図り,生産システムをも変えつつある。新たなタイプの小売業が登場し,既存小売業者を圧迫するようになった。こうした小売業者はメーカーに対して強い価格交渉力をもつようになった。新たな流通システムの構築は,それまで卸売りが果たしてきた機能を内部に取り込む形でこれをより有効なものとした。流通システムでは卸売機能を組織的にどのように位置付けるかが業務構造の決定要因となる。また,一方で,規制緩和の進展から,流通業における公的規制のみならず,私的規制・慣行の崩壊を機に,新たな流通システムの構築が図られようとしている。流通業における競争の促進は生産構造の効率化と消費者利益の増大をもたらすだけでなく,硬直化した事業構造や制度・体制の変革を求め,ひいては経済構造,経済制度全体をも変えていく。流通業という限定された領域の中だけで起こっている変化ではなく,それらの構造変化がもたらす経済波及効果に注目する必要がある。
- 2001-03-25
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