戦争花嫁のアメリカへの適応について : 日本的価値観と欧米的価値観の狭間で
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概要
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本稿では、はじめに戦争花嫁のアメリカ社会への適応に関するこれまでの先行研究を吟味し、その分析枠組みを考察した。そして「エスニシティ(ethnicity)」を、場面、状況に応じて変化するプロセスとして考え、日本的価値観をもつ戦争花嫁の「エスニシティ」を基層にしっかり根をひろげたものとして捉えた。また移住先のアメリカの文化・社会・経済などといったものがどういう状況にあるのか、という外的要因である「コンテクスト(context)」を提示し、場面、場面での対応の「ストラテジー」について、われわれが実施した調査票調査やインタヴューの結果を通して分析した。我々の調査、研究を通し、戦争花嫁のアメリカ社会への適応を考える際に重要な要因となる戦争花嫁の価値観については、戦争花嫁の基底には「日本的価値観」があり、上層に文化変容を通して身につけた「欧米的価値観」があるとし、その中間層に場面や状況、テーマなどによって変化する第三層が存在する、という三重構造を、いくつかの事例を通し明らかにした。
- 嘉悦大学の論文
- 2005-04-30
著者
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