孤独のなかで見ること-リルケの『マルテの手記』 : 序
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概要
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『マルテの手記』(1910)はドィツの詩人、ラィナー・マーリア・リルケ(1875-1926)の代表的散文作品である。この作品は、パリに一時在住した詩人がさまざまな印象を一見思いつくままに手記の形式に綴ったものと思われている。しかし拙論は、この手記を、近代の孤独を生き抜く果てに、詩人として、また一人の人間として新境地を開こうとした試みとみなすと同時に、手記全体がこのテーマを一貫して追求した作品であることを論証するものである。拙論は.1980年に修士論文として提出されたものをもとに、正書法上の全面改訂、およぴ内容表現上の修正を加えた。今回この紀要に掲載される『序」は、この作品の当該テーマに関連する研究史を扱っている。本章は次号以降の紀要に掲載される予定である
- 2005-03-31
著者
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