酸性スフィンゴ糖脂質(ガングリオシド)の神経系における役割
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概要
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酸性スフィンゴ精脂質(ガングリオシド)は、ラクトシルセラミドを基本骨格として、これにシアル酸を含有する精鋼が結合した一群の糖脂質である。ガングリオシドは脊椎動物の脳神経系に豊富に存在し、現在までに数多くの構造が同定されてきた。近年では、ガングリオシド糖鋼を合成する種々の精鋼合成酵素遺伝子がクローニングされ、これらの遺伝子操作に基づいた培養細胞レベル及び実験動物レベルでのガングリオシド糖鋼の機能が明らかになってきた。我々はガングリオシドGM2/GD2合成酵素遺伝子、及びGD3合成酵素遺伝子をクローニングして、それらの遺伝子ノックアウト(KO)マウスを作製し、解析を行ってきた。その結果、複合型酸性精脂質を欠失したマウスは一見正常に誕生するが、加齢に伴う末梢神経変性、小脳のプルキンエ細胞の脱落などの異常が認められた。従って、神経組織において複合型酸性糖脂質は、神経の発生・形成に関しては著明な機能は認められないが、形成された神経組織の維持に必須の役割を果たしていることが明らかとなった。
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