口内炎による疼痛を有する白血病患者の食事援助を通した学生の学びの検討
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概要
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本研究の目的は、学生の実習記録を中心に学生の学びを抽出・分析することによって、臨地実習における学習効果を高めるための指導の示唆を得ることである。W医科大学看護短期大学部の学生で、平成15年に4週間の成人看護実習I (慢性期看護実習) を受講した3年次生1名の実習記録を対象とした。学生は化学療法の副作用である口内炎の著明な疼痛によって食事摂取が困難な急性リンパ性白血病 (以下ALLという) 患者を受け持ち、看護を実践した。学生は患者の嗜好を配慮することによる食材の活用や工夫を通して患者の意欲に働きかけることができ、患者が摂取可能な状態までに至るという成果を得えていた。この看護実践を通した学生の学びは、プライマリーナースとの連携、学生カンファレンス、看護スタッフや患者家族との連携に集約されていた。これら学びを中心とする実習記録の分析からは、(1) 患者への動機づけとなるタイミングをはかった意図的な関わりを学生が行っていけるよう教授場面を見出し働きかけていくことの重要性 (2) 個別的な看護の実践と、そのような看護を実践できたということを学生が実感できるような機会を設けることの重要性 (3) 学生の学びを深めるためには、タイムリーな時期にカンファレンスを設け、得た結果を学生が看護にフィードバックできるようにすることの重要性 (4) 学生が看護スタッフの看護実践姿勢から知識や技術を獲得し、患者のニードの充足を目指した看護の提供ができるように、学生・看護スタッフ間の連携の調整役を積極的に行い学生指導に携わっていくことの重要性の4点が示唆された。
- 和歌山県立医科大学の論文
著者
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