高齢者の身体活動水準調査
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は,高齢者の日常生活の動作を基にして作成した生活体力調査(20項目)の自己評価に基づき身体活動水準を把握し,高齢者の生活体力づくりの指針を得ようとするものである。すなわち,50歳から84歳の高齢者208名(男性47名,女性166名)について各項目毎に「できる」「できない」の結果を要約したものである。各項目毎に5歳きざみの年齢区分別での自己評価の結果は,全項目において年とともに「できる」と評価する比率が減少する。この比率の減少度が項目によって異なり,例えば同じ脚の筋力系でも「階段おり」は,50歳代で約93%,60歳代約91%,70歳代約83%,80歳代約83%と徐々に減少するが,「60cm幅の水たまりの跳びこし」は,それぞれ約87%,約76%,約43%,約83%と70歳から比率が大きく減少する項目もある。しかし,80歳代ででも50歳代と同程度の比率もあり,個人差の顕著なことが伺えられる。さらに,持久力系の「5階まで休みなしで階段のぼり」は,50歳代で約40%,60歳代約30%,70歳代約17%,80代O%を示し,また,「ゆっくりなら1時間は走れる」の場合はそれぞれ約13%,約11%,約2%,約16%であった。このことから,高齢になるに従い,筋力と持久力を要する3階や5階までの階段のぼり,早や足での長時間(1時間程度)の歩行,さらに,ゆっくりした走動作が困難になり始め,特に75歳以降,脚の筋力と持久力の低下が顕著である。しかし,80歳越えても1時間程度の持続歩行のできる人も存在することから,個人差の顕著なことが伺えられる。また,生活体力の維持向上の基本は歩行にあると考える。
- 和歌山大学の論文
- 1994-08-20
著者
関連論文
- 就学前児のゲーム遊びに関する事例的研究
- 保育者の保育観 : 幼稚園と保育所の比較からみた
- 体育指導委員のスポーツ指導観
- 高齢者の生活体力調査報告(総合センター化記念-教育臨床,総合的な学習,情報教育-)
- 体育実技における体調管理の実践例
- 野外活動実践の足跡と課題
- 大学生の体格,体力,運動能力--昭和44年と昭和54年との変化
- 大学生の体格,体力と回帰評価法
- 093P13 スキー実習における指導者と受講学生の心拍変動について
- 093R04 スキー実習中における指導者への負担
- 幼児の生活行動調査と活動性の発達
- 運動遊びによる幼児の活動性の育成
- 在宅高齢者の転倒予防の簡便体力測定報告
- 高齢者の身体活動水準調査
- 接地時における幼児の足ゆび圧と活動性
- 高齢者のスポーツ参加への基礎調査 : (体力・健康・生きがいをめぐって)