岩手県赤十字血液センターにおけるHBV genotype A献血者の臨床的、疫学的特徴

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1994年6月から2000年8月の期間に、岩手県赤十字血液センターヘ献血した492例のHBVキャリアの中から、性、年齢および居住地を均等に分布させ任意に抽出した200例を対象にしgenotypeを測定した。genotype Bが76例(38%)、genotype Cが80例(40%)、genotype Aが8例(4%)、PCRで増幅されず判定不能の例が36例(18%)であった。genotype Aは男性2例女性6例、平均年齢は28.6±7.5歳、居住地に地域差はみとめられなかったが、30歳未満例の頻度が75%でgenotype B(34%)およびsenotype C(53%)に比し有意(P<0.05)に高率で、genotype Aの感染の拡大はgenotype Bおよびgenotype Cに比し後から起こった可能性が示唆された。またHBe抗原が25%、HBe抗体が75%に認められ、それらの頻度はいずれもgenotype Bとgenotype Cの中間であった。さらにHBe抗原・抗体と無関係にpre-core領域のnt1896は測定し得た7例全例がG(guanine)の野生型で、対のnt1858は全例C(cytosine)であった。Core promote領域のnt1762/1764は測定し得た5例において、A/G(adenine/guanine)の野生型は2例でいずれもHBe抗原陽性、T/A(thymine/adenine)の変異型は3例でいずれもHBe抗体陽性であった。subtype分類では全例HBV/Ae(ヨーロッパ型)で、nt1809は全例G(guanine)、nt1812は全例C(cytosine)で、報告されている既知のHBV/Aeと同様の塩基配列を示した。今後HBV感染の家族集積性の有無や初感染例の経過を追跡することにより、genotyeAの疫学的、臨床的特徴が明らかにされるものと考えられる。

岩手県赤十字血液センターにおけるHBV genotype A献血者の臨床的、疫学的特徴

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