軟口蓋癌切除後即時再建実施例の言語障害と治療 : 補綴的技法の応用
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概要
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軟口蓋切除後では鼻咽腔閉鎖不全を生じ,言語機能は開鼻声を呈する.今回,病理診断は腺様嚢胞癌であった46歳,女性にみられた軟口蓋切除に伴う言語障害の治療について報告する.患者は1994年10月,左側軟口蓋の腫癌を主訴として紹介された.同年12月,手術は同部の腫瘍切除術および口蓋有茎粘膜弁並びに頬脂肪体を用いて即時再建を実施した.術後同部に瘻孔が認められ,さらに鼻咽腔閉鎖不全が生じた.その結果著明な開鼻声が発現した.患者は再度の手術を拒否したので,オブチエレーター付きスピーチエイドを製作し,装着した.これにより開鼻声は消失し,術前同様の言語機能を再獲得するとともに勤務に復することができた.以上から,軟口蓋切除に伴う開鼻声の改善にスピーチエイドの有用性を改めて認識することができた.
- 明倫短期大学の論文
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