一般教育 : 現場からの一試論
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概要
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大学入学直後の学生に、今後の生活目標の設定と学習計画の作成を促すための「方法論」教育、「演習」、教室をフィールドワークの現場とすることを試みた。学生が、受験で習得した「教科書⇒模範解答」の暗記を中心としたテクニックは、「単一正解」を前提にしたものである。これを「受験生的思考」として定義した。現実の問題は、単一ではなく複雑であり、解決策もまた複数存在するのである。特定領域の専門的知識と方法に依拠して分析ばかりする専門家は、問題を要素に分解し、部分最適化をもってよしとする「社会的視野狭窄者」に過ぎないのである。よく生きるためには多面的、重層的思考によって問題の全体像の把握が不可欠であり、その基礎となるのが"一般教育"である。具体的問題に即して情報、知識を総合しうる"一専多能"の専門家を目指すため学習と研究の方法論の解説を行い、演習をレポートの提出によって実施した。情報とアイデアのフィードバック、共有化、異部門の専門家(ゲスト・スピーカー)との直接的な人間的交流が、知的好奇心を活性化し「単一正解」思考からの脱却に有効であり、大教室での教育の質的高度化には助手(TA)の必要性が明らかになった。
- 2002-03-12
著者
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