急速輻射加熱構造物試験装置と二三の試験結果について
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概要
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東京大学航空研究所航空力学部構造関係研究室に設置された200kW急速幅射加熱構造物試験装置について,その機能と性能の大要を述べ,平面型対向加熱器を用いて行ったq(熱流入速度)分布および加熱能力に関する二三の測定結果を示した.本装置の設計仕様の要点は次の如くである.(1)熱源の熱発生量が大きく,熱慣性が小で急速な加熱が行え,高温が得られること.熱発生量は20Btu/ft^2 sec,通常の薄板あるいは薄殻構造加熱の場合の温度上昇率70℃/secおよび最高到達温度800℃以上を目標とする.(2)加熱制御容易なること.(3)試験体に接触せずに熱伝達が可能であること.(4)安全なること.(5)低廉なること.以上の諸点を検討の結果,相似型電子計算機の手法によって自動制御を行う赤外線ランプによる幅射加熱方式が採用された.試験の結果,本装置は最大出力時においてqcenter=20Btu/ft^2 sec,18/8鋼板(0.5t)を用いた場合の最大温度上昇率90℃/sec以上および最高到達温度約1,100℃が期待されるなど設計仕様を十分に満足し,各種構造物の加熱実験に極めて有用であると考えられる.
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