マーティン・イエニッケ「環境フローのガバナンス : 国民国家を再生する必要」
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
まず、二つの基礎となる概念、すなわち環境国家(environmental state)と環境フロー(environmental flow)、について簡単に論ずることから始める。環境国家は、エネルギーから農業に渡るほとんど全ての政策を包含する。一方、環境フローを管理するためには(共同的な)統治という新たな概念が必要である。環境フローが通常地球規模の現象であるという事実は、経済と政治がグローバル化している時代において国民国家がまだ適切な役割を果たしうるのかという疑問を提起する。しかし、エコロジー的近代化が技術に基づいた政策によって追求されている限り、グローバルな状況においても国民国家は衰えることはない。しかしながら、環境統治には追加的な行政上・政治上の能力が必要である。私は、政府(すなわち共同的な解決が必要な場合の最終的な責任を明らかにすること)と国民国家の両方を、グローバルな舞台におけるもっとも有能な集合的アクターとして再生すことが必要であると結論する。
- 2005-03-10
著者
-
吉田 文和
北海道大学大学院 経済学研究科
-
吉田 文和
北海道大学公共政策大学院
-
佐々木 創
三菱ufjリサーチ&コンサルティング株式会社 環境・エネルギー部
-
行方 のな
北海道大学大学院農学研究科
-
佐々木 創
北海道大学経済学研究科
関連論文
- 都市鉱山の経済学--エレクトロニクス製品を中心に
- 循環型社会のレジーム・アクター分析 (経済学部50周年記念号)
- ITと環境破壊(寄書)
- 都市鉱山の経済学 : エレクトロニクス製品を中心に
- 希土類産業の高度化に向けたリサイクル : NdFeB磁石を例に
- 農村地域における有機性資源需給バランスの定量分析 : 北海道A町における酪農経営と畑作経営の物質収支評価を事例として
- タイにおける産業廃棄物ビジネスの現状 (特集 タイの環境問題を考える)
- 国境を越えるパソコンのリユース・リサイクル (特集 環境格差)
- タイにおける製造業に対する税制優遇制度とリサイクル (特集 アジアにおける3 R--廃棄物減量化に向けて)
- アジアにおける有害廃棄物管理
- マーティン・イエニッケ「環境フローのガバナンス : 国民国家を再生する必要」
- タイの循環資源貿易の動向
- タイの環境を考える(第2回)タイにおける産業廃棄物処理の現状:在タイ日系企業のケーススタディを中心に
- タイの環境を考える(第1回)タイにおける一般廃棄物処理の現状:バンコク都のケーススタディを中心に
- バンコクにおける一般廃棄物管理の現状と課題--レジーム・アクター分析を応用して
- タイ--必要な実態調査と国際協力 (特集 リユース・リサイクルの国際化)
- A Technological and Business-management Study of Sustainable Agriculture,with a Focus on Hokkaido Daily Farming
- 1996年4月-1997年3月
- 韓国における使用済み電気・電子機器再活用と輸出の考察
- 「グリーン・ニューディール」の可能性と課題--環境を守り,雇用を創るために (特集 世界恐慌下の環境政策のあり方を問う)
- "環境費用"の負担問題をどう考えるか (環境保全と費用負担)
- 公害は科学観にどう影響したか--反公害の嵐のなかから環境科学の創造へ (特集=戦後日本の科学観)
- 環境リスクといかに向き合うか--水俣病事件に学ぶ (リスクと社会)
- マーティン・イエニッケ「環境に優しい近代化 : 新たな展望」
- 廃棄物政策研究の動向と展望 (特集2 環境問題・政策研究の動向)
- 特別寄稿 上海の一般廃棄物処理の現状と課題
- The Cyclical Economy of Japan
- 循環型社会の分析方法--レジーム・アクター分析の必要性 (特集 ごみ問題は今!(前編)適正処理、リサイクル、そして発生抑制へ)
- IT Pollution Problems in Asia
- 産業物質代謝論の成果と課題
- 循環型社会への課題と展望
- 循環型社会基本法下の廃棄物問題の背景と解決への展望
- 廃棄物経済学の課題
- 環境情報公開制度 : 日本におけるPRTRの導入過程 (「持続可能な経済への転換」)
- エネルギー政策の転換と再生可能エネルギーの展望
- 最大・最悪の公害としての原発災害
- 日本における土壌汚染対策と費用負担問題 (環境保全と費用負担)
- ハイテク汚染の現段階
- 農産物直売所の実態と意義に関する考察
- 米国の有害廃棄物政策の現状と問題点
- 先端技術産業における公害防止対策 (先端科学技術と公衆衛生)
- ソ連のエネルギー問題