豊原商工会議所逐次刊行物総目次 : 樺太商工業者の活動解明の手がかりとして
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概要
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本稿は、戦前日本の植民地の一つであった樺太の中心地、豊原町(1937 年以降は市)に設立された豊原商業会議所(1923〜28 年)・豊原商工会議所(1928〜43 年)・樺太商工経済会(1943〜45 年)が発行した逐次刊行物について、筆者が収集調査した所蔵状況と、筆者が作成した各号記事の総目次とを提示する資料紹介である。本逐次刊行物は、ほとんどの号が目次のない新聞形態で発行されたために、所蔵状況があきらかになっただけでは、必要な記事にすぐにアクセスすることは困難である。有効に利用するためには、その記事内容を別途把握できる必要がある。そこで、総目次を広く公開することで、本逐次刊行物をより利用しやすい状態にして、今後の樺太史研究の活発化をはかる一助としたいというのが本稿の意図である。全国各機関に点在して所蔵されている本逐次刊行物は、全てを合わせると通号の97%がカバーされていることになる。これらを容易に通観出来るようになることで、昨今進展が著しい在外日本人経済団体史研究から漏れ落ちており、かつ職業別人口構成の大きさにもかかわらず、従来の樺太史研究ではほとんど注目されてこなかった在樺太中小商工業者の活動実態の解明が可能になろう。また、戦時下での情報秘匿により極端に刊行物が少なくなる1940 年代の樺太史研究にとっても、貴重な情報を提供する資料となるだろう。
- 2005-06-09
著者
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