アカソ及び近縁3種の有性生殖型と無融合生殖型の分布
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概要
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イラクサ科ヤブマオ属の近縁な4種(アカソ, クサコアカソ・コアカソ・ナガバヤブマオ)の有性生殖型と無融合生殖型の分布域を標本資料の花粉の染色性を調査することにより推定した。その結果アカソの有性生殖型は京都府北部から新潟県にかけての日本海側地域に, クサコアカソのそれは四国高地と南アルプス∿西関東山地に, コアカソのそれは西南日本各地に, ナガバヤブマオのそれは南西諸島と台湾に分布することが示された。形態的形質から考えられる4種の系統関係と4種の有性生殖型の分布域を総合すると, 4種の分化は日本列島におけるナガバヤブマオ的な祖先種の分布域の北上にともなって生じたと思われる。アカソは日本海側地域の多雪環境に適応して最も新しく分化した種であると考えられる。
- 国立科学博物館の論文
- 1986-12-01
著者
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- Burdon,J.J.(1987), 『Diseases and Plant Population Biology.』, Cambridge University Press, 208pp.