人間資源に関する問題領域 : 企業におけるその重要性とシステム的把握(清水龍瑩教授退任記念号)
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概要
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人間資源に関する議論は従来,実務的助言ばかりが1人歩きしていた。そこで本論文では,企業における人間の重要性を指摘しつつ,問題領域の特定を試みる。企業における人間の重要性は,人間自らが意思決定を下し,他の経営資源の運用主体となることにより生じ,その結果人間は,企業の競争優位を根底で支えることになる。その人間自身の持つ特質としては,生物体としての階層構造をあげることができる。また企業との関連においては,調達上格差があり,固定的で,企業が完全に統制することが不可能である,という特質を持つ。そのため企業は,現有資源の中で最大の成果を生み出すように,人間に働きかけていかなければならない。人間の集合体が企業組織であり,また人間は,細胞を構成要素とする各器官や脳によって支えられている。この人間から企業組織,及び,人間から細胞に至る階層をシステム的に把握すれば,企業における人間行動探究のアプローチは,第1に,人間と企業組織との相互作用,第2に,全体的存在としての人間資源の探究,第3に,人間と各器官や脳との相互作用の3局面と考えられる。これらからのアプローチにより,人間行動をより体系的に把握することができよう。
- 慶應義塾大学の論文
- 1994-06-25
著者
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