自家大動脈による気管再建に関する実験的研究

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概要

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生体材料を用いた気管再建の研究においては, 現在まで新鮮自家大動脈による再建例の報告はない。我々は犬を用いて新鮮自家大動脈による気管再建を施行し, 内視鏡, 光学顕微鏡および走査電子顕微鏡による経時的観察により, 大動脈の代用気管としての可能性ならびにその上皮化の形態学的変化について検討した。その結果, 犬の大動脈は気管周径1/3周・長径7軟骨輪, 周径1/2・長径3ないし4軟骨輪までは代用気管として使用可能であったが, 気管周径が1/2周より大きい場合は内腔支持力の低下による狭窄を来し, その狭窄防止のための工夫が必要と思われた。上皮は術後30日から40日で移植片を被覆し, 約6カ月で線毛も完全に発育した。また, 上皮形成には上皮下結合織の良好な発育が必要と思われた。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1986-10-25

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