肺小細胞癌の治療過程における内視鏡所見

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概要

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小細胞癌(SCLC)の治療過程における内視鏡所見を検討した。治療後, X線学的にCRとなった41例の内視鏡所見は, 正常9例, 瘢痕狭窄17例, 壁内浸潤10例, 壁外浸潤5例であった。2年以内の再発率は, 正常ないし瘢痕狭窄例で57.7%, 壁内浸潤および壁外浸潤例で86.7%であった。治療後にみられた血管増生の程度と再発との間には相関を認めなかった。最近の15例において化学療法開始後経時的に内視鏡検査を行ったが, 3コース後に正常ないし瘢痕化するものが多く, 4コース以後に腫瘍の消失をみたものはなかった。以上のことから, (1)治療後の内視鏡像が正常ないし瘢痕所見であっても経時的観察が必要である。(2)内視鏡的に壁内ないし壁外浸潤の所見が疑われた場合には治療の追加が必要である。(3)多くの場合, 化学療法の最大効果は3コース以内に得られるなどの結果が示された。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1989-02-20

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