『御府内沿革図書』を用いた『江戸名所図会』の写実性の検証

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
1834(天保5)年に出版された挿絵入りの江戸名所案内である『江戸名所図会』は, 当時の江戸の景観を知るには格好の史料である.しかし, 『江戸名所図会』の挿絵は, 幾何学的遠近法によるリアリティと地誌的な説明を両立させるため、方位, 街区, 建物の形状や規模に作者の演出的な操作が加えられており, その写実性には疑問がもたれてきた.従来の『江戸名所図会』の研究では, 江戸図などの資料と比較して分析を行っていたが, 主要な比較対象である江戸図にも歪みが含まれているという難点があった.本研究では, 著者らが構築してきた, 正しい方位・尺度の江戸図を収めた江戸図データベースを活用し, 『江戸名所図会』の景観の写実性を検証する1つの方法を提案する.景観と対比する対象としてデータベース内の『御府内沿革図書』を採用し, 両者間に透視変換が成立する度合いによって写実性を判定する.
2006-01-27

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク