発話間のVQひずみを用いた話者交替識別と話者クラスタリング

概要

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本論文ではあらかじめ話者に関する情報が与えられていない場合の話者交替識別・話者クラスタリングについて述べる.つまり,話者の数や話者の種類が不明である場合に,オンラインで逐次的に話者を判定し,話者情報を更新するというタスクを仮定している.また,ここで得られた話者の情報を音響モデルの話者適応に用いることを目的としている.本論文では,話者を識別する方法としてベクトル量子化(VQ)によるコードブックを用いて音声のモデル化を行い,そのVQひずみを話者交替識別と話者クラスタリングの基準として用いる方法を提案する.また,短い音声サンプルで話者をモデル化する必要のある際には,音響バックオフの考えを導入する.話者交替識別について従来の代表的手法であるGLRやBICと比較実験を行った.その結果,GLR,BICではF値がそれぞれ75.8,81.4であるのに対し,提案法では84.4であり,更に,音響バックオフを組み合わせることでF値が93.1,識別率では97.7%となり,その有効性が示された.また,同様に話者クラスタリングに対しても評価実験を行いその有効性が示された.最後に,音声認識の話者適応化にも本提案手法を適応し,その有効性が示された.
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-11-01