ヴァイマール共和国制期におけるナチ党の労働者政策(I) : 「国家社会主義企業細胞組織《NSBO》」から「ドイツ労働戦線《DAF》」の成立まで
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概要
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ヴァイマール共和制憲法は,その第2篇第5章「経済生活」の諸条項において,ドイツ国民一般,したがって,その大きな構成要素である労働者階級の生活権を明確に保障した。それ故,労働者階級は,ヴァイマール共和制を支持する中心勢力となった。ヴァイマール共和制は,その崩壊過程において,左右両翼の分解・激突をともなう猛攻撃に遭遇することになるが,右翼からの攻撃,すなわち,ナチ党の政権掌握にとり不可欠な一つの要因は,共和制保持の中心勢力たる労働者階級をいかに浸触し,自己への支持勢力に編入してゆけるかであった。今日のファシズム研究において,ファシズムの運動論,その目標としてのファシズム革命,その擬似革命的性格(革命を装った反革命)は,いまだファシズムの比較研究の成果を踏えた十全な解明の段階に到達していない。本稿では,1928年国会選挙で,ナチ党が敗北した後にナチ党左派が労働者階級に積極的に働きかけを開始するまでの段階を,考察の対象とする。The labour unions have been organized in a great degree under the leadership of leftist parties in Weimer Republic. The labour campaign by NSDAP, therefore in which they had to organize more workers, fased the difficult problems at least before the World economic crisis. In the history of NSDAP's labour class campaign, I restrict my analysis within the problems from the refounding of NSDAP in 1925 to the birth of left-wing Nazis and the result of the Reichstag election in 1928 in this paper. In this period German labour class supported NSDAP only less than 3 percent. Then left-wing Nazis had to proceed to more radical campaign.
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