フランクフルト学派に関する一考察(I) :M.ホルクハイマーの「批判的理論」を中心として
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概要
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筆者は今迄,西洋現代ドイツ史の特にヴァイマル共和制期からナチスの時代に到る間の社会・経済・政治史に重点をおいて若干の考察を払ってきた。しかしその間,常に関心の根底にあったのは,人間存在の自覚的根拠をなす「思想」の形成をめぐる多様極まりない,因果関係に関する問題であった。この小論は,表題にかかげたごとく,1920年代にヴァイマル共和制期のドイツで誕生し,今日,フランクフルト学派第二世代にまで到る歴史的存続と,誕生以後,少なくとも西欧近代市民社会の自己認識という問題に限定しただけでも,当該の西欧自身は勿論のこと,それと歴史的に出合って今日の歴史社会と形成する他の地球上の地域,例えば我国をも含めた多くの文化領域において,研究を不可欠とするフランクフルト学派に関する,筆者なりの第一報である。本論において,漸次明らかにするごとく,フランクフルト学派の今日に到る研究成果は,極めて多岐にわたり豊富である。本稿では,まず,当学派の中心をなすホルクハイマーの1930年代―ファシズム台頭の時代―の思想の中核をなす「批判的理論」を中心に一定の論考を加えたい。Das Interesse des Autors ist besteht in der Entstehung,der ganzen Geshcichte und der heutigen,Bedeutung der Frankfurter Schule.Aber in dieser Abhandlung nimmt der Autor die Aufgabe in den einigen beschrankten Fragen auf.Namlich die kritische Theorie von M.Horkheimer,ihre Bedeutung und der Zusammenhang mit Nazisumszeit.
- 大阪教育大学の論文
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