非高脂血症下肢閉塞性動脈硬化症に対するアフェレシス治療の多施設臨床評価(<特集>腎・血液領域の注目すべき疾患-アフェレシス療法のエビデンスとガイドライン-)

概要

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高脂血症を伴う下肢閉塞性動脈硬化症に対するアフェレシス治療は健康保険適用となっており, 現在ではかなり普及している.近年, 高脂血症を伴わない症例にも臨床的効果を示すとする報告が散見されるようになった.そこで, 多施設臨床評価研究グループを構成し, 評価を行った.プロトコルに従い治療を完了したFontaine分類II度21例・III度8例・IV度例20例(総症例49例)で検討した.跛行出現距離・最大歩行距離・自覚症・潰瘍面積などの改善を指標とした判定基準によると, Fontaine分類II度・III度・IV度総症例49例のうち有効32例(65.3%), やや有効10例(20.4%)であった.重症度の高いFontaine分類III度・IV度症例の28例に限っても, 有効20例(71.4%), やや有効3例(10.7%)であった.特別な医療処置を必要とした副作用は起こらなかった.高脂血症を伴わない下肢閉塞性動脈硬化症に対するアフェレシス治療は有用である.
日本アフェレシス学会の論文
2006-02-28