大正から昭和初期における学校歯科保健教育活動小史 : II. 学校歯科医,学校看護婦の職務内容と歯科衛生教授,歯科衛生訓練
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概要
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昭和初期,歯科教育においては学校歯科医,教員,学校看護婦などによる学校組織化が進んだ.歯科衛生教授では,歯科衛生に興味や関心をもたせ必要な知識をつけることを目的として,教科書をはじめさまざまな教材・教具が利用された.しかし,教材・教具の整備はそれほど進んでいなかった.学校歯科医による講話・講演もよく行われた.そのほか,全校生・学年対象として童話会,児童劇などの活動も行われた.歯科衛生訓練では,歯科衛生に関して得た知識を子どもたちみずからが実行に移すこと,すなわち自分の歯に働きかけることを目的として行われた.訓練として主に行われたものとしては歯磨教練(歯刷子教練),洗口教練(含嗽教練),咀嚼教練(噛み方教練)がある.学級・学年・全校で一斉に教練が行われた.子どもたちに歯磨きの必要を知らせ,行動変容に結びついたことは確かであるが,具体的に個別指導という点からの教授が遅れていたことは否めない.やがて戦時体制とともに,本来の正しい方法を習得,習慣化という歯科衛生訓練の目的からずれて団体的訓練,集団の精神修練重視となり,訓練を行ったとしても歯科衛生教育としての本質的な効果をあまり期待できない状況となっていった.
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
- 2003-07-30
著者
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