大正から昭和初期における学校歯科保健教育活動小史 : I. 社会の動向
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1872年の「学制」の制定は,積極的に欧米文化・教育の導入をすすめ,従来の日本型文化・教育に大きな影響を与えた.学校衛生もこの流れのなかに含まれ,医学的学校衛生から教育的学校衛生へと変遷していった.学校衛生教育は明治維新政策にのり,どちらかというと官主導あるいは官と一体で進められてきており,医学者・教育行政者により明治中期から大正期に広く展開されていくようになったが,学校歯科衛生教育についていえば遅れがちであった.その理由の1つとしては,歯科領域は教育的医療であるという歯学関係者の思い入れとは別に,教育行政的に学校健康教育にかかわる諸課題であるとの認識が,熟すのが遅れたこともあげられよう.総じていえば,学校歯科保健領域は歯科医界・民間企業が主導となって活発に進められ,その成果が教育現場に浸透してきたといえる.すなわち,歯科衛生教育は大正初期に学校の外部からはじまり,しだいに学校内活動が定着化し,昭和期に入ると,教員や学校組織として本格的に取り組んでいくことがみられるようになった.しかし,学校衛生教育も戦時体制の影響を受け,これまでの学校で培われた健康教育は,身体個性の育成から離れた画一的で国家主義的な側面も現れてきた.
- 2003-04-30
著者
関連論文
- 歯科の社会的イメージとう蝕経験
- 世界12か国における健康観(MOS)の比較
- 小学校でのフッ化物洗口導入に伴う養護教諭の対応 : 養護教諭への聞き取り調査から
- S. mutans と P. gingivalis の歯垢内分布におよぼすキシリトール洗口の影響
- CO(要観察歯)の経年変化に関する研究 : 中・高校生におけるCOの追跡調査から
- 女子大学生における歯科保健学習経験と歯科保健行動に関する調査研究
- 3 女子大学生の健康認識についての一考察 : 専攻別による比較(第8回鈴鹿国際大学短期大学部教員研究発表会)
- 小・中・高校生時の学校歯科保健経験と現在(大学生)時までの健康行動・歯科保健行動との関連について
- 女子大学生の健康認識についての一考察 : 専攻別による比較検討
- 4 短期大学生,専門学校生の健康認識についての一考察(第7回鈴鹿国際大学短期大学部教員研究発表会)
- 短期大学生,専門学校生の自己の健康への認識と医各科に対するイメージについての一考察
- 男女大学生にみる医療10科に対する「痛み」,「大切さ」および「身近さ」イメージについての一考察(教育科学編)
- 大正から昭和初期における学校歯科保健教育活動小史 : I. 社会の動向
- 養護教諭養成コースの女子大学生の歯科保健行動についての調査研究
- 大正から昭和初期における学校歯科保健教育活動小史 : II. 学校歯科医,学校看護婦の職務内容と歯科衛生教授,歯科衛生訓練
- 男女大学生の「健康意識・行動」と「医のイメージ」について : アンケートによる調査から
- 男女大学生の小学生時(現在時)の生活習慣,栄養摂取および歯科保健行動に関する調査研究
- 女子大学生の歯科保健行動についての意識調査--小学生低学年時〜大学生時(現在)の比較
- 養護教育科,歯学部,歯科衛生士専門学校及び一般学生の歯ブラシと 歯磨剤への態度
- 大学生のSense of Coherence(SOC)と歯科衛生士業務の認知度に関する研究
- 小学校上学年児童の学習・生活行動に関する研究
- 女子大学生の健康観(MOS SF-20)と歯の健康観(OHiS)に関する研究--養護専攻学生,看護専攻学生および他専攻学生との比較
- 市販清涼飲料中の糖質,シュークロース,グルコースの含有量とその動向に関する研究 : 1981年,1985年の測定結果との比較
- 保健室リネン類の衛生的管理に関する研究