在宅要介護片麻痺者に対する側臥位漸増運動負荷装置の作製の試み
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概要
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在宅における呼吸循環機能に関する評価方法の開発を目ざし, 我々は坐位保持困難な片麻痺者でも側臥位姿勢で健側上下肢にて運動し, 呼吸循環反応測定を実施し得る漸増運動負荷装置を試作した。本稿は, 本装置を紹介するとともに, 測定と再測定の一致度の検討および高齢片麻痺者への適用について検討することを目的とした。測定と再測定の一致度は, 健常若年男性9名を対象に各2回の漸増運動負荷を行い, 体重当たりの酸素摂取量(VO_2)の直線の傾きを用いて級内相関係数を算出した。その結果, 級内相関係数は0.68で, 測定と再測定において一定の一致度があることが示唆された。高齢片麻痺者への適用は健常高齢男性3名と在宅高齢片麻痺者2名を対象とし, VO_2と心拍数(HR)を測定した。健常高齢男性のVO_2とHRは運動負荷量増加に伴ってほぼ並行して増加し最終運動負荷量での代謝当量は3.6METSで, 本装置は高齢者に対して軽強度の定量的運動負荷を行う目的で使用可能であることが確認された。高齢片麻痺者を対象として, 臥位姿勢で片手片足にて運動を遂行し, 呼吸代謝反応の測定が可能であった。以上から, 本装置が在宅での呼吸循環機能評価に寄与し得る可能性が示唆された。
- 社団法人日本理学療法士協会の論文
- 2001-07-31
著者
-
伊東 元
茨城県立医療大学保健医療学部
-
上岡 裕美子
茨城県立医療大学保健医療学部理学療法学科
-
上岡 方士
茨城県立医療大学保健医療学部理学療法学科
-
上岡 方士
筑波大学大学院 人間総合科学
-
伊東 元
茨城県立医療大学
-
伊東 元
茨城県立医療大学保健医療学部理学療法学科
-
伊東 元
茨城県立医療大学理学療法学科
-
伊東 元
茨城県立医療大理学療法学科
-
上岡 裕美子
茨城県立医療大学
-
上岡 方士
茨城県立医療大学保健医療学科理学療法学科
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