滑膜における結合組織成長因子(CTGF)の発現

概要

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【目的】CTGF(connective tissue growth factor)は組織修復や細胞増殖、さらには血管新生に関わる重要なサイトカインであることが知られている。今回我々は、慢性関節リウマチ(RA)、変形性関節症(OA)、健常者それぞれの滑膜におけるCTGFの発現の有無を比較検討した。【方法】RA患者6例、早期RA患者2例(発症5ヶ月例、8ヶ月例)、OA患者2例、健常者3例の滑膜におけるCTGF、VEGF、第VIII因子、CD68の発現を免疫組織化学染色(ABC法)を用いて比較検討した。それぞれの滑膜におけるCTGFmRNAの発現をIn situ hybridization法を用いて比較検討した。【結果】RA滑膜におけるCTGFの発現は、VEGFと同様に、血管内皮細胞、単球/Mφ、線維芽細胞様紡錘形細胞に認められ、特に早期RA患者に強く発現していた。血管内皮細胞でのCTGFの発現は径の小さな新生血管に高度に見られた。リンパ濾胞の形成など高度な炎症細胞浸潤をともなう症例では、CTGFの発現は減少していた。健常、OA滑膜ではCTGFmRNAの発現は見られるものの、CTGFの発現はRA滑膜に比べあまり高度ではなかった。【結論】RA滑膜における滑膜増殖、毛細血管新生にCTGFが関与している可能性が示唆された。早期RA滑膜の幼弱な血管にCTGFが強く発現し、RAの進行にともなって発現が減少することから、初期のRA滑膜における毛細血管新生誘導にCTGFが関わっている可能性が示唆された。

滑膜における結合組織成長因子(CTGF)の発現

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