肢芽形態形成におけるヘパラン硫酸プロテオグリカンによる細胞増殖因子活性の制御 : ヘパラン硫酸硫酸基転移酵素群の同定と組織分布
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概要
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近年、組織の形態形成、特に肢芽の形成において、FGFやBMPなどの増殖因子の作用がヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)により制御されていることが分かってきた。このHSPGの働きはそのヘパラン硫酸鎖(HS)にあると思われる。例えばFGFのシグナル伝達には、FGFとそのレセプター、さらに細胞表面HSPGのHSとの三量体形成が必須である。形態形成には幾種類もの増殖因子が関与するが、これらの作用の特異な制御にはHS中の特異的な構造を認識して結合することが重要である。このような制御には、HSの多様な構造、特にそのO硫酸化による多様な構造が関与する可能性が高い。今回、形態形成における増殖因子の作用がよく分かってきているニワトリ肢芽において、この可能性を解析した。当研究室では、マウスのHSのO硫酸基転移酵素について、HS中の増殖因子との特異な結合構造の合成に重要な2O硫酸基転移酵素(HS2ST)と4種類の6O硫酸基転移酵素(HS6ST-1、-2、-2S、-3)の遺伝子の単離に成功している。ニワトリの肢芽からこれらのホモローグの単離を試み、cDNAクローニングに成功した。マウスとは異なって、ニワトリには一種類のHS2STと2種類のHS6ST-1、-2のみが存在した。これらを用いて、whole mount in situ hy bridization法により肢芽におけるこれら遺伝子群の発現分布を調べ、予想どおり、それぞれ異なっていることがわかった。HSのミクロ分析法より肢芽の部位の違いに対応するHSの構造の相違を示した。さらに、この相違は、今回明らかにしたO硫酸基転移酵素の発現分布の相違と関連することを明らかにした。これらの結果から、肢芽における硫酸基転移酵素群の発現の局在性によるHSの構造、特に6O硫酸基転移酵素による構造の多様性がFGFやBMPのシグナルの濃度勾配に関与していることが示唆された。
- 日本結合組織学会の論文
著者
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石黒 直樹
名古屋大学医学部整形外科
-
岩田 久
名古屋大学整形外科
-
木全 弘治
愛知医科大学分子医科学研究所
-
野上 健
愛知医科大学分子医科学研究所
-
石黒 直樹
名古屋大学 整形外科
-
木全 弘治
愛知医大・分子医研
-
岩田 久
偕行会名古屋共立病院整形外科
-
木全 弘治
愛知医科大学
-
岩田 久
名古屋大学
-
野上 建
愛知医科大学分子医科学研究所
-
鈴木 宏昌
愛知医科大学分子医科学研究所
-
羽淵 弘子
愛知医科大学分子医科学研究所
-
石黒 直樹
尾張温泉リハビリかにえ病院 整形外科
-
石黒 直樹
名古屋大学 大学院医学系研究科整形外科学
-
岩田 佳久
名古屋共立病院 整形外科
-
Kimata K
愛知医科大学
-
岩田 佳久
名古屋大学大学院医学系研究科機能構築医学専攻運動・形態外科学手の外科学
-
岩田 久
名古屋大学医学部整形外科教室
-
野上 建
愛知医科大学分子医科学研究所:名古屋大学整形外科
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