痴呆性老人と環境との関わり : 環境調整を行うために

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概要

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本研究は, 痴呆性老人に対して環境調整を行うために, 痴呆性老人と環境との関わりを明らかにすることを目的としている。対象は在宅で生活する老人30名, 老人保健施設, 介護力強化病院に入所, 入院している老人60名である。N式老年者用精神状態評価尺度, 日常生活動作能力評価尺度を用いて, 対象を4グループに分けた。生活環境(の変化)と行動(の変化)について調査を行った。軽度痴呆に対しては, 取り扱いが単純な器具・設備の使用や, 使用方法の表示が有効であった。中等度痴呆に対しては, 場所・道すじに表示や目印を付けたり, 間違いやすい場所をふさぐことが有効であった。また, 古い形に戻すことが有効であった。高度痴呆, 最高度痴呆に対しては, 幻覚・妄想, 異食の原因になる物を取り除くことが有効であった。以上から, 痴呆性老人に対しては, 「簡略化」「手がかりの提示」「エラーの防止」に配慮した環境調整が有効であると考えられる。
社団法人日本理学療法士協会の論文
1997-05-31

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