手の外科に対する Hand Therapy の経験 : 特に, 屈筋腱断裂を中心として

概要

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手指屈筋腱断裂術後27例のHand Therapyプログラム,ROMの変化,問題点を報告するとともに理学療法士として手の外科のHand Therapyをどのように位置づけるべきかを検討した。その結果をまとめると以下の如くである。 (1)手の外科において初期訓練が重要であり,我々は,術直後よりImmediate Controlled Mobilizationを指導してきた。 (2)ROMの改善者は27例中18例で66.7%であり,その内訳はExcellent 62.5%, Good 37.5%と良かった。なお,癒着,拘縮の強い症例には積極的に低周波,Splint,バイオフィードバック治療を施行し,効果的であった。 (3)PTが手の外科のHand Therapyを行うことは対象疾患の拡大や手指に関する治療技術の向上,知識の習得につながり,その意義は大きいと言える。 (4)手の外科のHand Therapyを効果的に行うには,早期に術後のHand Therapyを開始することに加え,適切な職場復帰までのリハビリテーションプログラムが行なわれることこそ重要である。
社団法人日本理学療法士協会の論文
1986-10-10