水封式燃料地下貯蔵の技術開発に関する研究 : 並設空洞の離間距離と安定性との関係
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概要
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重油・原油やLPGなどを岩盤内に地下貯蔵する場合, 多数の地下空洞を隣接して掘削する。これらの空洞は輸送の関係上海岸近くに位置することが多く, 岩盤は必ずしも堅固であるとは限らず, また貯油時には空洞周辺岩盤に間隙圧が作用し, 空洞の安定性が低下することが考えられる。本研究ではこれらの空洞の掘削時の安定性, 適切な空洞離間距離, 間隙圧の影響について, 空洞形状として幅約15m, 高さ25mを想定し, 地山のかぶり厚さが140mと240mの場合に対して, 電研で開発した非線型掘削解析手法を用いて検討した。その結果, 土かぶりが小さく(h=140m), 岩盤の変形係数が小さい(E=40000kg/cm^2)場合でも緩み領域は2〜3m程度で安定が保たれることが分かった。また, 空洞壁面間の離間距離についても空洞の高さと幅の平均値以上の離間距離をとれば, 隣接する空洞の影響がないこと, 貯油時において間隙圧(7kg/cm^2)が作用した場合には岩盤の緩み領域は2〜3m増加し, その影響は顕著であり, ロックボルトなどで補強する必要があることが分かった。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1982-03-15
著者
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