異方性岩盤における大空洞掘削時の周辺岩盤の挙動解析および実測値に関する考察
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概要
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高さ50m, 幅25m, 奥行150mにも達する大規模な地下発電所空洞を, 安全かつ合理的に掘削するためには, 事前に空洞掘削時の周辺岩盤の挙動を予測することが望まれる。筆者らは, これまで等方的な岩盤力学的要素を考えた掘削解析手法を開発して合理的な掘削について検討を加えてきているが, 今回は, 岩盤のもつ節理や層理あるいは片理などの異方的な力学特性を考慮した掘削解析手法を開発し, 実測値との比較を通じてその有効性を検討している。異方性については, 層理面と最大圧縮応力の作用方向との角度に応じた破壊包絡線を誘導し, せん断強度ならびに弾性係数の異方性を求めて解析に導入している。解析の結果, 側壁のはらみ出しおよびゆるみが層理面の角度の影響を強く受けることを指摘している。更に, 現場における実測値と解析結果との比較から, アーチ上部岩盤の沈下およびアーチライニングの応力については本解析による予測の精度はかなり高いのに対し, 側壁のはらみ出しについては, 解析では側壁補強の効果を考慮していないためにかなり過大な予測結果が得られると報告している。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1981-03-15
著者
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