異方性岩盤におけるセン断強度特性の測定と空洞掘削の数値解析例
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概要
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地下発電所空洞を異方性岩盤内に掘削した場合の周辺岩盤挙動の数値解析例を示したものである。まず, セン断試験の結果から破壊包絡線を2次の放物線で近似し, ジェーガー(J.C. Jaegar)による異方性材料の破壊特性を導入して, 層理面と最大圧縮応力の作用方向との交角ωとセン断強度との関係を推定した。さらに載荷板直径30cmのジャッキ試験により求めた弾性係数Eと前述のωとの関係を求めたが, 顕著な異方性はみられなかった。一方, 1m立方の岩盤ブロックによる三軸試験の結果ではω=0°の時のE値はω=90°の時の約2倍となった。そこで, E値の異方性の測定に際しては供試体の切り出しや載荷面積の大きさなどについて慎重に検討すべきであるとしている。つぎに, これらの試験から得られた物性値を用い, かつ岩盤を直交異方性材料と仮定して行なった数値解析例を示した。解析の結果, 初期地圧の最大圧縮応力の作用方向と岩盤の層理面方向との相対関係によってライニング内応力, 岩盤の変形量やゆるみ領域の大きさが著しく異なることを示している。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1978-06-15
著者
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