乳牛の分娩後における黄体機能の開始時期および黄体期の長さとそれらが初回授精受胎率に及ぼす影響(臨床繁殖学)

概要

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乳牛の分娩後の卵巣機能の回復状況とそれらがその後の受胎成績に及ぼす影響を調べた.21頭中, 9頭(42.9%)は卵巣機能の正常な回復を示したが, 他の5頭(23.8%)は黄体期の延長が, そして, 残りの7頭(33.3%)では初回排卵の遅延が認められた.正常回復例に比べ, 初回排卵遅延例では, 分娩後初回授精までの日数が長く(63.1±22.0vs93.0±22.3日, P<0.01), 初回授精受胎率も低かった(88.9vs57.1%, P<0.05).同様に, 黄体期延長例でも, 初回授精までの期間が長く(77.6±21.6日, P<0.05), 初回授精受胎率が著しく低かった(0%, P<0.01).また, 黄体期延長例では, 正常回復例に比べて, 子宮の回復までの期間が長く(42.4±5.5vs54.0±8.3日, P<0.01), 分娩後100日以内の1日平均乳量も高かった(33.6±4.7vs38.8kg, P<0.01).このように, 半数以上の乳牛が分娩後卵巣機能回復の異常を示し, 特に, 黄体期延長例では著しい繁殖成績の低下が認められた.
社団法人日本獣医学会の論文
2005-10-25