光源一体型コンタクトレンズ電極を用いた犬の網膜電図検査(外科学)

概要

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網膜電図(ERG)検査は, 網膜疾患の診断において非常に有用な検査であるが, 犬において信頼できるERG検査を行うためには, Ganzfeld domeの様な大掛かりな装置を使用しなければならない.今回我々は, Ganzfeld domeの欠点を補うことのできる光源一体型コンタクトレンズ電極(LED電極)を用い15頭の正常ビーグル犬でERGを測定し, LED電極の有用性とそれを用いた時の標準刺激光とRod ERGの刺激条件を確認した.ERGは30分の暗順応後, 両眼同時に12段階の刺激強度で行った.10分間の明順応後, Single-flash cone ERGおよび30Hz Flicker ERGを設定した標準刺激光を用いて行った.LED電極を用いることで再現性の高いERG検査を, 簡便かつ円滑に行えた.また, ERG検査中の動物の不動化は, 全身麻酔ではなく鎮静処置で十分であった.b/a比が約2となった標準刺激光は3.0cd/m^2/sec, a波が記録されないRod ERGの刺激条件は0.0096cd/m^2/secであった.LED電極は, 従来の手段より定量的かつ再現性あるERG検査を可能にすると考えられた.また, ERGを評価する際に, b/a比を評価項目に加えるべきと提案したい.
社団法人日本獣医学会の論文
2005-05-25