山羊クローン胚の発育に及ぼす活性化処理の影響

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地域的に繁殖飼育されている山羊の体細胞核移植胚について,イオノマイシンおよびエタノールによる活性化処理を行い,その後の発育能力を比較した.ドナー細胞には,雌ヤギの耳介皮膚から得られた繊維芽細胞を3〜8代継代し,0.5%牛胎子血清で4〜8日間飢餓培養したものを用いた.レシピエント卵子は,卵胞刺激ホルモン処置を行ったヤギから採取した未成熟卵子を22時間成熟培養した後,除核して核移植した.融合後,再構築胚はイオノマイシンあるいはエタノールにより活性化処理し,その後,6-ジメチルアミノプリン(6-DMAP)とサイトカラシンB(CB)で3時間培養した.実験Iでは,融合した再構築胚(核移植胚)をB2培養液を用いたVero共培養システムで培養し,イオノマシシン活性化処理群の胚(n=63)およびエタノール活性化処理群の胚(n=68)の発育能力を核移植後9日(核移植日をO日)まで調べた.実験IIでは,それぞれの活性化処理を受けた核移植後2日の2〜4細胞期胚を,発情同期化した10頭の受胚ヤギに移植した.イオノマイシン活性化処理群(n=46)とエタノール活性化処理群(n=37)の融合率(86.3 vs 82.9%),分割率(90.5 vs 82.4%)および桑実胚/胚盤胞への発育率(9.5 vs 5.9%)に有意差はみられなかった.イオノマイシン処理胚を移植した受胚ヤギは60%(3/5頭)が妊娠中期(2.5ヵ月)まで妊娠を維持したが,エタノール処理胚を移植した受胚ヤギは20%(1/5頭)がDay45まで妊娠を維持したにすぎなかった.これらの結果から,イオノマイシンあるいはエタノールと6-DMAP-CB処理による核移植胚の活性化はヤギクローン胚の発育に影響を及ぼさないことが示された.
2004-12-25

山羊クローン胚の発育に及ぼす活性化処理の影響

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