分離および非分離液状保存精液による雌ブタ子宮角および卵管内回収精子数に関する研究(臨床繁殖学)

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本研究では分離および非分離液状保存精液による授精後の雌ブタ子宮角および卵管内から回収される精子数を比較するために行われた.同時に逆流精子数と精液量についても調べた.試験は2群に区分し,対照群(非分離液状保存精液,n=10)では30×10^8個の精子を含む100mlを授精し,実験群(分離液状保存精液,n=10)では30×10^8個の精子を含む50mlで授精したのち,50ml希釈液(BTS)を更に注入した.その後逆流した精液を1時間に15分間隔で回収して,測定した.授精後3ないし12時間に各群5頭から子宮,子宮角,卵管および卵巣を麻酔下で摘出した.子宮角と卵管は6ブロックに分割した.これらをBTSで洗浄して内部の精子を回収した.回収精子数を算出し,量を記録した.実験群の逆流精液中の精子百分率は対照群のそれより少なかった.授精後3時間に生殖器を摘出した雌ブタでは差は認められず,子宮角ならびに子宮卵管接合部(UTJ)中の平均精子数は実験群で対照群より多く,卵管狭部ならびに膨大部では逆に実験群で少なかった.授精後12時間に摘出した場合は,対照群で実験群に比べて排卵するものが多かった(3/4頭 vs 3/5頭).対照群では実験群に比べて卵管内精子数は多かったが,UTJおよび子宮角では少なかった.しかし,その差は有意ではなかった.結論として,同一精子数を用いた分離および非分離授精において,雌ブタ子宮角,UTJ,あるいは卵管内の精子数に有意な差は見い出されなかった.
2003-01-25

分離および非分離液状保存精液による雌ブタ子宮角および卵管内回収精子数に関する研究(臨床繁殖学)

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