電撃ストレス負荷ラットの扁桃体,視床下部におけるCRF,POMC,およびMC4R遺伝子発現の調節(生化学)
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概要
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動物がストレスを受けると視床下部・脳下垂体・副腎(HPA)系カスケードが活性化し,ストレス応答をしていることが知られている.その際に,脳内ではCRFやPOMCなどの神経ペプチドが生産され,脳下垂体からACTHを放出し,副腎皮質を剌激し,コルチコステロンが放出される.一方で,ストレスラットにメラノコルチン受容体(MC4R)桔抗薬を投与するとストレス応答が軽減されることが知られている.本研究ではストレス負荷時におけるHPA系とMC4R系の関連を明確にする目的で,0.5時間および1時間の電撃ストレスを負荷したラットにおけるCRF,POMCおよびMC4R遺伝子の発現変動をノーザンブロットにより分析した.電撃ストレスを負荷したところ,扁桃体では全ての遺伝子の発現量の増加が観察されたが,対照的に,視床下部ではCRF遺伝子の発現量の増加が認めらず,また,POMCおよびMC4R遺伝子については0.5時間から1時間ストレスにおける発現量の増加は少なかった.以上の結果から,動物がストレスを受けたときに遺伝子発現レベルにおいて,メラノコルチン系が関与していることと,扁桃体と視床下部の間で異なった発現制御機構の存在することが示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2004-11-25
著者
-
茶木 茂之
大正製薬(株)医薬研究所
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山野 好章
鳥取大学農学部応用生命科学講座
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吉岡 正信
鳥取大学農学部応用生命科学講座
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戸田 喜久
大正製薬(株)医薬研究所
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忍田 祐一
大正製薬(株)医薬研究所
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濱本 香織
鳥取大学農学部応用生命科学講座
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森嶋 伊佐夫
鳥取大学農学部応用生命科学講座
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山野 好章
鳥取大学農学部代謝生化学研究室
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山野 好章
山梨大学 大学院 医学工学総合研究部
-
山野 好章
鳥取大学農学部獣医学科
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